中華民国（台湾）外交部の呉釗燮部長（外相）は昨年7月15日に、フランスの国営テレビであるフランス・テレビジョン（France Television）の取材を受けた。取材の内容は今月5日、フランス・テレビジョン傘下のチャンネル「フランス5（France 5）」で、「台湾：禁忌の国（Taïwan: nation interdite）」と題するドキュメンタリー番組の一部として放送された。同番組は70分以上にわたって台湾を取り巻く国際情勢、台湾とウクライナとの近似点、それに台湾海峡情勢が世界に与える影響などについて深く掘り下げて伝えた。このインタビューに対する呉部長の発言の概要は以下のとおり。
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台湾は1971年に国連を脱退した。その後は中国の圧力によって国際組織への参加が大幅に制限され、WHO（世界保健機関）、ICAO（国際民間航空機関）、インターポール（国際刑事警察機構）などに加盟できずにいる。そればかりか、台湾の記者及び国民は、国連及びその傘下にある組織の建築物に入ることすら許されない。非常に理不尽なことだ。
台湾は国連加盟国ではないものの、国際社会の一員としての責務を果たしている。助け合いの精神に基づき、コロナ禍では積極的に諸国に対してサージカルマスクや医療物資を無償供与してきた。台湾が世界の公衆衛生のために貢献したいと願い、そしてその能力を備えていることを、国際社会に理解して欲しい。
ウクライナの人々が国家の存亡をかけて戦う姿を見て、台湾の人々は国を守る決意をさらに固めることになった。起こりうる中国の侵略に備えて、台湾はこれからも自己防衛の準備を進めるだろう。台湾はまた、米国、カナダ、英国、EU諸国、オーストラリア、日本などの民主国家との交流を深めている。これによって各国が台湾の重要性を認識し、民主主義のパートナーによる支持が得られるよう期待している。我々が伝えたいメッセージは、台湾と民主主義の盟友は自由と民主主義という価値観を共有しており、中国が台湾を攻撃するならば、それは我々が共有する基本的価値への攻撃と同じことであるということだ。
台湾が世界経済において重要な地位を占めているのは周知のとおりだ。例えば世界の半導体チップの6割が台湾で製造され、そのうち最先端半導体の比重に至っては9割を超えている。台湾海峡で戦争が発生すれば、それが世界経済に与える影響はロシア・ウクライナ戦争より深刻になるだろう。
台湾とフランスは遠く離れているが、国民同士の交流は頻繁に行われている。フランス国民に理解して欲しいのは、もし台湾海峡で戦争が発生したら、フランスも直接あるいは間接的な影響を受けるということだ。最近、フランスの上院及び下院の議員による台湾訪問が相次いでいる。立法院の游錫堃院長（=国会議長）も昨年7月にフランスを訪問したばかりだ。両国の交流はますます活発になっており、これを基礎としてさらに双方の協力や往来を強化していきたいと願っている。
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なお、このドキュメンタリー番組では呉部長のほか、監察院の陳菊院長、数位発展部の唐鳳部長（=デジタル大臣）、元参謀総長の李喜明氏、それに米国在台協会台北事務所の元所長（=在台米国大使に相当）であるウィリアム・スタントン氏などのインタビュー内容も紹介された。
報道の内容はこちらでご覧いただけます
「台湾：禁忌の国（Taïwan: nation interdite）」
https://www.france.tv/france-5/le-monde-en-face/4856902-taiwan-nation-interdite.html
※視聴には地域制限があります
Taïwan sera-t-elle la prochaine Ukraine ?
https://www.francetelevisions.fr/et-vous/notre-tele/a-ne-pas-manquer/taiwan-sera-t-elle-la-prochaine-ukraine-17203
Comment Taïwan utilise les puces électroniques comme bouclier face à la Chine
https://www.francetvinfo.fr/monde/chine/video-comment-taiwan-utilise-les-puces-electroniques-comme-bouclier-face-a-la-chine_5781929.html
※約3分間の動画あり